3泊4日で旅に出る会社員の旅ブログ

会社員でも旅に出たいをテーマに、サラリーマンの吉川が、駐在するメキシコを中心に旅した記録をつづります。チアパス州の奥地にあるエバーグリーン牧場を舞台に繰り広げられる人や動物との出会いが第1作目です。

出版記念トークイベント 満員御礼! ありがとうございました!

いやあーー。感動しました。 あいにく前日からしんしんとノンストップで雪が降り続け、イベント当日の朝から除雪車や雪かきの人で通りはざわついていました。 凍る寒さの中、ストーブで毛矢珈琲の室内を温めながら、マスターと僕の準備はああでもない、こう…

「山と電波とラブレター」出版記念イベント 12月22日(金)開催です。

福井駅から徒歩15分。 毛矢という場所にある、「毛矢珈琲」という席数15席の小さなカフェがあります。 マスターからお誘いを受けて、出版記念パーティを開催してもらうことになりました。 告知の必要がないぐらい、準備段階で参加希望者が集まってしまいまし…

とうとう出ました英語版。どうやってできたか思い出しながら解説します。

出版社が用意してくれた宣伝用画像 とうとう、初めて英語で出版しました。 洋題(?)は、「山と電波とラブレター」をずばりそのまま直訳して、 Mountains, Radio Waves and a Love Letter です。 ちょうど、日本語で出版して1年経って、そろそろ何か次のチ…

いよいよ発売日(仮)決定。 インドの書店20か所とAmazon で2月販売開始。

Mountains, Radio Waves and a Love letter 私のデビュー作「山と電波とラブレター」の英語版が2月10日発売開始予定で準備が進んでいます。 上の画像は出版社が販促用に用意してくれたものです。 流通先はインドの書店20か所と、インドのAmazonおよびアメリ…

不便だから人気のランプの宿 

最近YouTubeのおすすめで、日本の秘境に外国人が集まってくる宿をテレビ取材した動画に行き当たり、見入ってしまいました。 ドイツやアメリカ、オーストラリアなどから、青森の山奥の雪の中、電気もない、電波も届かない、インターネットもない宿に人が集ま…

山と電波とラブレター 英語版共同出版について

2023年1月に、とうとう英語版が出版される予定です。 翻訳からイギリス人による英語スピーカー向けリライト、英語圏出版社への応募まで、長かったけれど、やったかいがありました。 結局返事があったのはインドのリードスタートという中堅出版社です。 ネッ…

エリック・ワイナー作 The Geography of Bliss(世界しあわせ紀行)を読んだ

エリック・ワイナーの渾身の旅行記。 いやあ、面白かったのです。 自分が旅行記を出版したのをきっかけに、世界でトラベルライターなる職業が存在することを知り、いろいろと調べているうちに行き当たったのがこの本です。 もう忘れたけど、世界の旅行記を紹…

わりあいに本格派のラーメンと遠くを見つめる女性

メキシコは古くから壁画アートが受け継がれている。 フリーダ・カーロの夫「ディエゴ・リベラ」が世界的に有名だが、他にもシケイロスなど日本ではそれほど知られていないが数々の名作を残した壁画画家はたくさんいる。 でも、もともとはいきなり画家になっ…

山と電波とラブレター 英語版について

昨年11月に出版した「山と電波とラブレター」。 内容がどちらかというと欧米人向けなのではないかと、自分でも前から思っていて、今回全文を英語に翻訳しました。 と言っても、実はDeepLというドイツの会社が運営している自動翻訳ソフトを利用したので、ほぼ…

第26話 最終話 再会、お別れ(2)

僕はダニエルにその後、一度だけ再会した。 短い夏休みを利用して、オアハカを訪れたのは、就職してから数年たってからだ。 メールやインターネットがまだ普及する前だから、どうやって待ち合わせたか覚えていない。だけど彼はメキシコ人の地元ミュージシャ…

「山と電波とラブレター」 書店での展開の様子と常陽リビング紙サイト掲載のお知らせ

学生の時に新聞より貴重な情報源として重宝していたタウン誌常陽リビング。 今回、本紙とサイトに掲載いただきましたので、リンクを紹介します。 取材があったので、多少本に込めた思いをお伝えしました。 www.joyoliving.co.jp それから! 私はメキシコにい…

第25話 再会、お別れ(1)

小さなオアハカの空港を発つと、大都会のメキシコシティへ50分ほどで着く。 最後の日、友人たちが見送りに来た出発口で、僕は寂しいというよりは、お世話になった土地への感謝と、これから日本になじめるのかという不安で感傷的になっている暇はなかった。 …

第24話 最後の授業

「もう今さら何を言ってもしかたがない。ただ、シンジがオアハカからいなくなるのは寂しいよ」 僕のギターの先生はアメリカ人だ。日本的な奥ゆかしい表現はしない。 ストレートに僕が上達したことを自分のことのように喜び、これから、どうやって続けていく…

第23話 カセットテープとラテン

ダニエルと僕はとにかくカセットテープを多用した。 楽譜が読めない、いやそもそも楽譜なんかいらないという前提で教わっている手前、メロディーは書きとめられない。コード進行と歌詞以外は勘で進めるのだが、どうしても録音しないと思い出せないことが多い…

第22話 I Give In

ダニエルは、レッスンの合間や始める前にいつの間にかギターのデモンストレーションをしていることが多い。呼吸するみたいに音楽が「出てくる」んだと思う。 その中で何度も彼のオリジナル曲ーー毎日作曲しているから自分の曲が無限にある―ーを披露してくれ…

発売開始! 「山と電波とラブレター」全国の書店で。

とうとう、今週11月10日、日本の書店で発売開始された「山と電波とラブレター」。 都市部を中心に、大型の書店では見かけていただけるかもしれません。 紀伊国屋書店さん32店を皮切りに、ジュンク堂さんや丸善さんなどでも販売開始されています。 メディア向…

第21話 Wild Wood Flower

ダニエルは、本気で僕がミュージシャンを目指すなら、と冗談なのか本気なのか分からない指南をし始めた。もう日本に帰る日が近づいているからだ。 「今、レパートリーは50曲だろ。1回のショーで15曲ぐらい用意しておけば東京のバーで演奏できるはずだから3回…

好きな旅行記10選

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選」 思い出したり、本棚あさって並べてみました。順不同というか特に1位から10位で並べたわけではありません。 1.表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 オードリーの若林正恭が書いたキューバ紀行。 一人でホ…

第20話 セッション 飛んでいけ

ダニエルは「あんたが作った曲に俺が歌詞をつけるから」と、コード進行と鼻歌の録音を宿題にその日はクラスを終えた。 僕は適当にコードを3拍子でかき鳴らし、ハミングでメロディを作った。 そしてダニエルに披露した。当然歌詞はない。 「わかった。来週ま…

第19話 Jazzへ

ダニエルはよく僕がテープに録音した曲を持っていくと、宿題として持ち帰ってくれてコードを探して、弾き方を教えてくれた。 その中でもよく覚えているのが、ニーナ・シモンの歌う「Love me or Leave me」だ。 もともとメキシコ人の観光ガイドの友達が教えて…

「山と電波とラブレター」発売日が決定しました!! 11月10日です。

11月10日発売予定。 いよいよ、発売日が決定しました。 すでにAmazonでは先行予約が開始され、旅行記ランキングでも50位以内に入りました。 まだ、発売していないのですが、ありがたいことです。 本日朝のランキングは20位でした。 本人の私もまだ、現物を見…

エバーグリーン牧場とゆかいな仲間たち 出版決定!!

本ブログから誕生した物語、出版します! いよいよ、本ブログで連載した「エバーグリーン牧場とゆかいな仲間たち」あらため、 「山と電波とラブレター」 というタイトルで、11月ごろに全国の書店で発売します。 いやあ、長かった校正作業も間もなく終了し、…

第18話 国境の子守歌

僕は1週間かけて何度もダニエルの鼻歌を聞き、ああでもない、こうでもないと歌詞をあてていった。 悲しげなメロディ(マイナーコード)でトーンが統一されていて、聞いているうちに僕は加藤登紀子を思い出した。 実は留学にあたり加藤登紀子のCDをカセットに…

第17話 鼻歌に作詞という宿題

毎週日付と課題がリストアップされた ある日、ダニエルのアパートにレッスンに行くと、例によって小さなギターを抱えながらダニエルが鼻歌を歌いながら伴奏していた。ゆったりとしたバラード調のメロディーだが、なぜか懐かしい感覚がした。 その日、普通に…

第16話 アンダードッグ・ラグ(負け犬のラグタイム)

White Feathers in the Coop アルバムジャケット。 ダニエルの人生は音楽を土台にすべてが成り立っている。だけど何か事情があってアメリカに嫌気がさし、メキシコのオアハカで住むようになった。でも自分が成し遂げてきたこと(=過去)にほとんど執着がなく…

第15話 生まれて初めての実技試験

ダニエルとギターレッスンを開始してから2か月ほどたった頃のことだ。 「シンジ、これは正式なクラスだから当然実技試験がある」 とダニエル師匠は僕に告げた。 「フィンガーピッキングの課題をリズムに合わせてなるべく正確に弾く。それからこれまで覚えた…

第14話 My baby is so fine

作者直筆の歌詞とコード進行 ダニエルは自分のアルバムが入ったテープを貸してくれた。10代の頃からレコーディングに参加し、リーダーズアルバムは17枚を数えると教えてくれた。でも僕が知っている洋楽の世界に彼の名前はない。本人が自主制作したものや自分…

第13話 エリック・クラプトン

メキシコ北部の町できいたホーンセクション主体のバンダ ダニエルとのレッスンに、僕は常に自分が弾いて歌いたいと思った曲をカセットにダビングしては持って行った。今考えるとなんともぜいたくなことをしていたのかと思うが、いつも次のレッスンまでにダニ…

第12話 感情を表現する

アフリカからアメリカ大陸に行きついたリズムが多くの音楽のルーツになった ダニエルのレッスンは常に音楽の歴史とともに進む。彼はカントリーとブルースをベースに、ジャズやアフリカ音楽、カリブの音楽を取り入れて「ワールドビート」という独自のスタイル…

第11話 ラグタイム

町ではときにけたたましい音楽が家まで聞こえる。 トラビス・ピッキングを何度も練習しているうちに、徐々に形ができてきた。その頃の僕はたぶん取りつかれたようにこの一見複雑なピッキングを何度も何度も繰り返して自分のものにしようとしていた。 ベース…