いやあ、面白かったのです。
自分が旅行記を出版したのをきっかけに、世界でトラベルライターなる職業が存在することを知り、いろいろと調べているうちに行き当たったのがこの本です。
もう忘れたけど、世界の旅行記を紹介しているサイトに、面白い旅行記がランキング形式で並んでいました。
日本語で「世界しあわせ紀行」とあったのですが、もともとの英文タイトルは
The Geography of Bliss(直訳:至福の地理学)
なので、ちょっとニュアンスが違うのです。ただ日本の出版社が「世界しあわせ紀行」って悩んだ末につけたんでしょうね。この方が分かりやすいし。
僕は普段それほど英語で本を読まないけれど、今回に限っては原文をKindleで読もうと決めました。そこで発見したのは、全然苦にならずよめるということでした。もともと文章が難解ではないのと、エリックの旅のいきさつが最初からめちゃくちゃ興味をそそるのです。
そして何より、kindleだと、分からない単語を指で押さえると勝手に意味を辞書から引っ張ってきて表示してくれるのです。これは今回初めて知って電子書籍ならではの読み方だなあと思いました。
ネタバレするといけないので詳しくは言いませんが、これが旅行作家の真骨頂かとうなりました。
アメリカのラジオ局の特派員だったエリックは、とにかく世知辛いニュースばかりをNPRというラジオ局の特派員としてレポートしていました。そんな精神的にまいる仕事に疲れた彼は、いや幸せな場所のことを知りたいと思い立ち、旅に出ます。
訪れた国はブータン、スイス、インド、モルドバ、カタール、アイスランド、タイ、イギリスなど。そして祖国アメリカに戻ります。幸せの形は国によって違うことを、人づてに知り合った現地の人との話の中で見つけ出します。それにしても、幸せな場所を探す旅なのに結構不思議な国の選択です。幸せな国ランキングで上位に位置する国はアイスランドぐらいですね。
でもエリックはそれぞれの国で必死に答えを探します。
人とのつながり、近隣に経済的に豊かな国があるかなど、幸せと感じる指標の結論らしきものを導き出します。詳しくは本書をみてください。
僕は世界20か国で翻訳されたこの本を、相当に気に入ってしまい、期待もせずに感想をエリック•ワイナーのホームページ問合せ欄から送りました。するとなんと、返事がきたのです。
「まいど! 日本にも特派員でいたことがあるエリックだよ」
みたいな気軽なノリでした。
いや、たぶん著者って誰でも読者からの感想をもらうとれしいんだな。そう思いました。ちなみに「まいど」はちゃんとMaidoって日本語で書かれていました。
エリックの本が紹介されているページは下記から。