3泊4日で旅に出る会社員の旅ブログ

会社員でも旅に出たいをテーマに、サラリーマンの吉川が、駐在するメキシコを中心に旅した記録をつづります。チアパス州の奥地にあるエバーグリーン牧場を舞台に繰り広げられる人や動物との出会いが第1作目です。

第59話 ハレルヤ

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デイビッドのアルペジオがクリスマスイブにしみわたる

 僕が歌い終わってしばらくおかずをつまんでいると、デイビッドが彼の持ち歌「ハレルヤ」をギターで爪弾き始めた。僕は昼間に彼と二人でいるときに、お互いどんな曲を弾くのかを見せ合っていた。そのときに一番だけ聞かせてもらっていたが、フルコーラスを聞くのはそれが初めてだった。

 

I‛ve heard there was a secret chord
(この世には秘密のコードがあるらしい)

That David played and it pleased the Lord
(それをダビデが奏でて、神様が喜んだんだ)

But you don‛t really care for music, do you?
(でも、みんなは音楽なんて関係ないんだろ)

Well it goes like this:
(そのコード進行はこんな風だ)

The fourth, the fifth, the minor fall and the major lift
(四度から五度、マイナーからメジャーへ)

The baffled king composing Hallelujah
(困惑した王は、ハレルヤを作曲したんだ)

Hallelujah. Hallelujah, Hallelujah. Hallelujah

(ハレルヤ、ハレルヤ、ハレルヤ、ハレルヤ)

 

 静かにしみるアルペジオの響きは、何やら意味深そうな歌詞に妙にしっくりくる。「ハレルヤ」はレナード・コーエン作曲で、八十年代に歌われた曲だ。でもその後たくさんの人がカバーして、そのたびにヒットするのでいろんな世代に愛されている。最後に四回「ハレルヤ」というキャッチーなフレーズが繰り返されるから、そこは必ず大合唱になる。英語を話さないクリスティーナも、そもそも歌自体を知らない僕も、このサビのパートだけは一緒に歌うことができる。

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スプーンも立派なマイクになる

四番まで続くが二番、三番は長女のゾエがソロで、僕が渡したスプーンをマイク代わりに歌った。堂々として、美しい歌いっぷりだった。そして最後の四番は、ついに真打ちデイビッドが弾き語った。終わると大歓声が起こり、そしてざわざわとにぎやかな会話が再開し、ショーの後の余韻をみな楽しんでいた。

 

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