3泊4日で旅に出る会社員の旅ブログ

会社員でも旅に出たいをテーマに、サラリーマンの吉川が、駐在するメキシコを中心に旅した記録をつづります。チアパス州の奥地にあるエバーグリーン牧場を舞台に繰り広げられる人や動物との出会いが第1作目です。

Entries from 2020-01-01 to 1 year

第35話 バンジー やったことあるかい?

昼食はヘルシーでシンプル。ワイワイしゃべりながら食べた。 午前の部が終わると、昼食の時間だ。生徒全員で母屋に行き、ステファニーの手料理をごちそうになった。サムエルとシャヤンも一緒でにぎやかだ。骨付きの豚のあばら肉が出てきたから、体を動かして…

第34話 うんともすんとも言わないとはこのことか

それから僕らはまた馬のつながれた元の場所までゆっくりと歩いて戻り、一人ずつ馬の背中に乗る練習をした。その白い牝馬は「ダッチェス」という名前で、初心者にも我慢強く付き合ってくれる優等生だ。 順番に飛び乗る人のために、両手のひらで踏み台を作って…

33話 ぬるぬるの中で

泥の中に足を突っ込むのは何十年ぶりだろう 「分かったかい。泥があっても馬は平気で歩くように見えるが、実際は今のあんたたちと同じで、馬にもバランスはとりづらいんだ。だから上にいる人間は、それを分かったうえでうまく体重を移動させないといけない」…

32話 体重移動

草原の真ん中まで来ると、サムエルは僕ら五人に車座になって座るように言った。いつの間にか目の前にやってきた犬をつかまえてなでている。そして太陽の光が植物を光合成させ、それを動物が食べて命が循環していくだとか、水の大切さについての説明を一通り…

31話 馬の蹄が犬の餌

馬を並べてつないでおけるこの柵をベースにコミュニケーションのイロハを習った。 ところでその日初めて、僕は馬の「蹄」が人間でいう「爪」にあたるものなのだと知った。サムエルがおもむろに鎌のような道具で蹄を1センチほどそぎ落としたのだ。そのスライ…

30話 英語だろうが、日本語だろうが、スウェーデン語だろうが・・・

剣山のようなブラシや蹄から石をかき出すピックたち。 その日、僕以外に馬術セッションに参加したのは四人だ。初日から一緒のバーニャやデイビッドのサンフランシスコ組に加え、新しくスウェーデン人の若いカップルが日帰りで加わった。 「シンジ、今日のメ…

29話 カラフルで野菜中心

サラダが中心の朝ご飯は、見ているだけで体調がよくなる気がする。 翌朝の目覚めは快適だった。喉の痛みはサン・クリストバルの薬局併設診療所で、大柄な女医のお姉さんから処方された薬がきいたのか、ほぼ感じなくなっていた。ひどくなったときにと抗生剤を…

28話 月夜に笑う馬

納屋風小屋は寒いを通り越して冷たかった ところで恥ずかしい話だが、この宿で過ごす初めての夜、真夜中に小便に起きた。医者に風邪のひき始めだから水を大量に飲めと言われたので、ひたすら飲み続けたせいかも知れない。 外は月の光で明るいから、真夜中で…

27話「何もない」というぜいたく

空には月あかりがまぶしい クリスマスを間近に控えているはずなのに、村には華やかな祭りの雰囲気はない。だけど教会では連日ミサだけはしっかり行われている。この村で唯一辟易したのは、夜六時頃から牧師が村人たちに大音量のマイクで説教をがなりたててい…

26話 デスコネクタールセ(接続解除)

納屋風小屋の外ではよく犬たちが寝そべったり、僕を待ち構えたりしている 日が暮れる前にシャワーを浴びたいとステファニーに伝えると、さっきのボイラーに薪をくべ、お湯を沸かしてくれた。シャワールームは人ひとりがやっと入れるぐらいの小さなスペースだ…